不気味さを伴うゆるやかな水害

今日は北の職場へ来ているが、7月だというのに、朝は13℃、日中も17℃と、酷暑に苛まれている日本に申し訳ないくらいの涼しさ。いや、寒さ、か。ヒーターをつけたくらいだから。



雨も断続的に降るので、外での仕事が進まない。おかげで、というのもなんだが、例のごとく晴耕雨読的に仕事を組替えたために、しばらく書けずにいたブログを書くスキマ時間を確保。

雨と言えば、九州で大変な被害があり、ニュースを見ていて切なかったが、世界的に見ても、大雨や洪水のニュースが、ここ数年やけに増えているような気がする。

私がトロントに住んでの印象のひとつに、「なんて晴れの日が多いんだ!」というのがあるが、そのトロントも今年は異常に雨が多い。


それは冬の終わりからすでに始まっていたので、私も「スローな春」と題して、いつもと違う天候について書いたのだが、その後も雨や嵐が頻繁にあり、水辺では何度も洪水警報が出た。

例えば、トロント市の南側はオンタリオ湖だが、そこに浮かぶトロント・アイランドというレジャーで賑わう島は、春先から水浸し状態。

ようやく最近になって洪水注意報が解除されたようだが、そのダメージは深く、後始末に追われる住宅はもちろん、この夏オープンできない商業施設がかなりあるとか。ここは夏が短いだけに、夏の観光産業に影響が出るのは非常に痛いだろう。


私も先月から、北のコテージで野菜栽培を始めたものの、晴れの日が少なく、度重なる雨嵐で土の水分がいつまで経っても飛ばず。そのせいか、植物たちが痩せたままで成長がよくない。

コテージの周りや運河の端も春先から水が引かない。こんなことはかつてなかったと聞く。


実際、去年と今年の4~6月のトロントの雨量を比較してみると、、、

2016年】4月:  59.8 mm5月:  34.2 mm、6月:26.4 mm3ヶ月計:120.4 mm 
2017年】4月:110.8 mm5月:142.6 mm、6月:97.2 mm3ヶ月計:350.6 mm


おおお、なんと今年は4-6月で去年同時期の3倍近くも雨が降っているではないか!5月単月では4倍以上!6月も3.7倍と4倍近く。ちょうど種まきのシーズンだから、農作物にも大きな影響出ているだろうなあ。

先日、個人的にも雨で怖い思いをした。ある日、外部でのミーティングの帰りに運転しながら「こんなに激しい雨は人生で初めて!」という、いわゆるゲリラ豪雨に遭遇した。


眼前で稲妻が空を裂き、すぐ近くで雷が落ちているだろうという大音響。「あれ、雷って車に落ちるんだっけ?どうだったっけ?」と焦りながらも、向こうの方に雨雲の切れ目が見えたものだから、それを目指して逃げるがごとく恐る恐る進んだ。

バケツをひっくり返すどころか、大型消防車の消火栓から出されているような、車のボディーがへこむんじゃないかと思うくらいの圧力のある豪雨!

一番早いワイパーにしても、全然前が見えない!前の車のテールランプも見えない!近づいてきた対向車のヘッドライトでようやくセンターラインの見当をつけていたから、ヒヤヒヤものだった。


事実、運転が危険と察したのか、路肩に停車した車もところどころにあり、後で考えれば私も止まった方が安全だったよな、と思った。その時私は、停車中の車をよけることばかり考えていたのだ。

実はあとで知ったのだが、私が運転していた時、近くまで竜巻が来ていたらしい。それを聞いてぞっとした。そう、今年は竜巻も何度か発生しているし、大きな雹(ひょう)も何度か降った。


ド迫力の豪雨を体験すると、自然の力を改めて思い知らされる。豪雨や嵐の雲においては、美しさと恐ろしさの両方を兼ね備た圧倒的な様相で、人間がいかに小さい存在かを教えてくれる。

龍の頭のような雨雲!

拡大版

自然の美しさに触れる分にはいいのだが、、、現実には、足元の消えない水を見て、なんだか不気味さを感じている。今、ここや世界のあちこちで起きている異常気象や地殻変動は、これからさらに頻繁になっていくのではないか?という気がして、、、。

足元の水は、いわば一つの象徴であり前兆、、、?

いつも乾いている窪みにたまった水が、今年は消えない

と、感じたところで、私のお気に入りの一つである、このサイトをリンクしておこう。

In Deep (日本語)

「地球最期のニュースと資料」とサブタイトルにある通り、世界の異常気象や宇宙や地球、社会上の不思議な現象、疫病や戦争等、地球最期を思わせるような事象を紹介している。

一見、悲観的?オカルト的?なトピックもあるが、著者は、関連する記事やデータをきちんと使って、一歩引いて説明しているので、ごく客観的にそれらの事象を知ることができる。

著者の解釈は解釈で興味深い。(ついでに著者の自虐ネタも!)ある事象とある事象の共通点を見出したり、前述の私のように、ある事象を何かのサイン、前兆と捉え考察したり。


トピックに関わらず、引用するデータやリサーチ、それをわかりやすく構成する載せ方には敬服するし、何よりも、あまり報道されない世界のニュースやマイナーなニュースをわかりやすく翻訳して載せて下さっているから、非常にありがたい。珍しい気象上の写真やへえ~と知るのが楽しい科学データもいろいろ見られる。

と、紹介が長くなってしまったが、彼のブログを見ていると、本当に地球上いろんなことが起きていて、それにしては、人間たちは何てくだらないことに争い、諍い、時間やお金を浪費しているんだろうとつくづく思ってしまう。私もそういう社会に生きる一人なんだけど、、、。

どっちにしろ、人間は自然にかないっこないだろうが、じゃあ、自然や宇宙における本来の人間の役割はなんだろうか?

そのことについて、時々自分でも考えてみるが、同時に、「それは、古代から人間が考えてきたけど、結果して答えが見つからない疑問なんだろうな」とも思ってしまう。それでも考えてしまうのだが、、、。

嵐直後にピンクに染まった空

コメント

このブログの人気の投稿

秋の森、秋の雲

2023年の終わりに

路地裏のパン教室でサワードウを学ぶ