ゼッポレとカノーリ ~聖ヨセフの日~


去る3/17はアイルランドの一大イベント「聖パトリック・デー」だったけど、私はイタリアン・コミュニティーにいるので、より目立っているのはイタリアの父の日でもある3/19「聖ヨセフ・デー」

聖ヨセフはカトリックのマリア様の夫。バージン・マリアは聖霊によって受胎されたとされるので、ヨセフのキリストとの関係は「実父」ではなく、あくまでも「養父」。

絵画においても、教義上、観る者にマリアとの男女関係を想像させないために、あえて髭をまとって老けさせたヨセフが描かれていることが多いとか。象徴的で美しく描かれた奥さんのマリア様とは扱いが随分違うんだなあ、、?

ヨセフという名は言語によって、ジョセフ(Joseph、主に英語)だったり、ヨーゼフ(Jozef、ドイツ語)だったり、ホゼJosé、スペイン語)だったり。ここのコミュニティーでは、ジュゼッペGiuseppe, イタリア語)になるけど、ヨセフとジュゼッペなんて、カタカナで書くととても同一人物とは思えない(笑)。

San Giuseppe = St. Joseph = 聖ヨセフ

さて、この聖ヨセフの日に食べるのはイタリアのお菓子「ゼッポレ(Zepple)」。上の写真は、今日スーパーで見た特大ゼッポレだけど、普通のはシュークリームを平たくして上にクリームをもったような感じ。


引用: https://www.finedininglovers.com/stories/what-are-zeppole/

「揚げシュークリーム」と言うと一番近いかも。揚げてはいても、それほど脂っこくはない。というか、クリームがこってり過ぎて気づかないだけかも!危険!
  
同じくイタリア移民の多いニューヨークのストリート・ベンダー(屋台)なんかで見るゼッポレは、外側にクリームはなく、粉砂糖がまぶしてある揚げドーナッツのタイプ。

引用: http://www.thedisneychef.com/2015/03/zeppole-di-ricotta-via-napoli.html

そして、ゼッポレと合わせ、何かとお祝いごとで食されるイタリアの別のデザート、「カノーリ」も登場。
近所のスーパーのチラシ。左がゼッポレで右がカノーリ。

カノーリはシチリア島が発祥で、筒形の生地の中に、ふんわりしたリコッタチーズや、フルーツ、ナッツ系クリームが詰められている。生地もシュークリームのシューに近いもの、アイスのコーンのようにややハードなタイプがある。

近所のスーパーのシチリアン・カノーリ。オーダーしてからクリームを詰めるからフレッシュ!
 
ベネチアン・カノーリ。生地が閉じられたタイプ。

さすがイタリアンコミュニティ、可愛いカノーリ専門カフェもあり。

今日は聖ヨセフ・デーの前日だから、スーパーで特別ワゴンが出ていたのだが、次々にゼッポレやカノーリを買いに来る人がいて、売り子のお姉さんはてんてこ舞い。
 
注文をメモするお姉さん。イタリア語も飛び交う。

最近知ったけど、聖ヨセフは、カナダの守護神でもあるそうな。カナダ・ケベック州のモントリオールのモン・ロワイヤルの丘のふもとに、「聖ジョゼフ礼拝堂」があるそうだ。それはいつか行ってみたいな。

思えば、私の行った大学も聖ヨセフに関係する学校だったから、今さら縁を感じている。今後はゼッポレとカノーリを食べるたびに、聖ヨセフを思い出すだろう。

ところで、なぜ聖ヨセフの日にゼッポレを食べるのか?それは、、、

聖ヨセフは大工だったらしいが、副業で揚げ物屋もやっていたとか。(聖人ってそんなに庶民的なのか!)それで揚げシュークリームのゼッポレが聖ヨセフの日のスイーツに定まったとか。

今後はゼッポレとカノーリを食べるたびに、シューを揚げてる聖ヨセフを思い描くだろう、、、。

それにしてもゼッポレとカノーリはくどいけど美味しい。ただし新鮮な生地とクリームに限る!イタリアン・コミュニティにいればちゃんと新鮮なものが食べられるから、それはラッキーだ。 

ピスタチオクリームのカノーリ。生地はクリスピーで中はふわっふわ! 


手前:シナモン味、奥:ブルーベリー味

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