イーグル・ダンスと夏至のテンション

先月末あたりからすっかり夏モードになって、公私ともに外でのアクティビティや外出する機会が増えたが、先週は特にそれが激しかった気がする。

ずっと向こうまで広がる雲を見ながらハイウェイを何度も走った

ミーティングやプレゼン、会食、イベント、久々の友人との面会。相当距離の運転もしたし、滅多に行かない歯医者なぞも行き。市場で買った新鮮野菜を使い切りたくて料理だって結構したし、最後は北の職場に来て、芝刈りや栽培中の野菜のケアも。

そういう身の回りのことだけでなく、天候も激しかった!郊外各地で竜巻があり、雹も降り、南の島のスコールのように、連日雷雨があった。そしてそのあと登場するギラギラ太陽。典型的な夏の天気だ。

火の玉のようなギラギラ太陽!

気温は、暑くてクーラーをつけた日もあったが、今は北に来ていて夜10℃を下り、寒くてヒーターをつけるというジェットコースター状態!

そういえば夏至を迎えた週だったので、自然全体のテンションが夏本番を前にギューっと高まり張りつめて、そのエネルギーが雷となってパン、パン、パンッ!と放出された、そんな感じ。

現に、あちこち飛び回る中で目にした空の雲が非常にドラマティックだった。そのほとんどは、いかにも夏!という積乱雲だが、その時々で表情は違う。先週だけでかなりバラエティのある空に遭遇した。 

夏らしい積乱雲

しかし、いざ雲が近くなると、ギャーっ、襲われそうな迫力!

現在の日の入りは21時頃。22時頃まで明るさが残る。

太い根元の虹に遭遇。折しも6月はLGBT月!
イエイ、レインボーウェルカム!

虹の数時間後の鮮やかな夕焼け。素晴らしいグラデーション。
  
ところで、ちょうど夏至の621日は、カナダのナショナル・アボリジナル・デー。(National Aboriginal Day)

ファースト・ネーションズ(カナダディアン・インディアン)やイヌイット(カナダ北部のエスキモー系先住民)、メティ(先住民とヨーロッパ人の混血)などの先住民族の歴史や文化、多様性を敬う日。

この日、ミーティングが予定より少し早く終わったおかげで、近所の美術館の庭園で行われたある先住民族のパフォーマンスを観に行くことが出来た。

この時期、アメリカでもアメリカン・インディアンの踊りや音楽の儀式的集会パウワウ(Pow-Wow)が各地で開かれる。(NY時代、NY Nicheというサイトに書いたブルックリンでのPow-Wowの記事)

しかし、今回私が行ったのは、大規模なパウワウでなく、ごくこじんまりした、でも親密なもの。


パフォーマーの女性が鷲の羽のコスチュームをまとい、自然に感謝を捧げる「イーグル・ダンス」を踊り始めたその時、それまでミーティングと雷雨続きで何だかへんなテンションを感じて落ち着かなかった自分の気持ちが、すーっと静かになるのを感じた。




夜8時近くだったがまだ綺麗な青空が残り、高い木々に囲まれた中で、動物のようなキーの高い声と独特のリズムを刻むドラムの音とダンスが別世界を醸し出し、自分がすっと自然の中に溶け込むような感覚があった。その間、煩雑な現実を忘れ、、、。

神聖な雰囲気のあとは、観客を迎えてのフープを使ったダンス体験会。このパフォーマーのお姉さんはフープダンスの世界チャンピオンにもなったことがある方で、彼女の曲芸みたいな見事な技も見ることができた。



一見手元のフープ技に目を奪われるが、実は早いドラムのリズムに乗せて足はずっとステップを刻んでいる。「これは見える以上にハードだぞ、絶対!」と、見ているこちらの息があがりそうだった

最後はストロベリー・ムーンにちなんだ、伝統的なイチゴのセレモニー。パフォーマーの一人がボウルに入ったイチゴを持って参加者一人ひとりに一粒ずつ渡した。


今月の満月は赤い「ストロベリー・ムーン」として騒がれていたが、先住民族の間では毎月、月にちなんだシンボルと意味があって、女性の身体や人生のサイクルと密接に関わっているそうだ。

その中でも6月のシンボル=イチゴは、女性が身体的変化の節目で食すと良いらしく、また、体調不良時の薬としても重宝され、ベリー類の中でもトップを意味する「チーフ・ベリー」。

そういった身体の調整だけでなく、すべてにおいて「Reconciliation=和解・許し・調和」などを意味し、過去のわだかまりや恨みを清算し、誰でもなんでも受け入れよう、というのが6月のセレモニーの趣旨。夏至を境に気持ちを切り替えよう、ともとれる。単に色が赤い月というわけではなかったのね!

イチゴセレモニーのためか?この日のパフォーマーは全員女性。
そのうち子連れママは女性性を象徴しているかのようだった。

★参考:先住民のムーンセレモニーの各月の説明(英語)
ちなみに来月は「ラズベリー・ムーン」で、大きな変化の時だそうだ。時に棘のある道も通るが、それは家族を育てる助けに繋がると。

こうして、夏至をピークにしたエネルギーの高まりと放出、その後の一瞬の穏やかさを体感したインテンスな一週間。このあとは、ある種の自分の中の軸に沿いながら、夏の終わりまで一気に駆け抜けるような、そんな予感がしている。

農作業中に出た日暈に入る私

激しい週を振り返りつつ、明日からの新しい週はどんな風になるかな、いや、次週に限らず、この夏は自分好みの濃くて忙しい日々にするぞ~と、コーヒーを飲みつつ手帳をめくる、夏至の後の(=公式な夏の)最初の日曜日の夕方であった。 



コメント

  1. 匿名6/26/2017

    ふと思い立ち、ずっと読んでいたNY日記COLORSを覗いてみたら!
    Sallyさん、何度かコメントさせていただいたり、Sallyさんの奮闘する姿に元気をもらっていました。ずっと海外なんて縁がないと思っていた私ですが、数年前には主人の仕事で3ヶ月ほどNYに滞在することもできました!
    Sallyさんのブログは私にとって青春なんです!だからこうしてまたSallyさんの記事を読むことができて本当に嬉しいです!また遊びに来ます!!

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    1. コメントありがとうございます&表示が遅くなってすみません!なんと!NY滞在なさったんですね~。まるでNYへの想いが届いたようですね。COLORSから来てくださって嬉しいです、カナダブログの方もまたぜひお立ち寄りください♪

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